よくあるご質問

成年後見制度

よくあるご質問(回答)

(成年後見人の職務について)

父の病気がすすんで、自分ではお金の管理もできなくなってきました。

きょうだいからは、同じ富山県に住む私に「成年後見人」になってほしいと言われています。

成年後見人になると、どんなことをしなければならないのですか。

成年後見人の職務は、簡単に言うと、本人(ご質問の場合はお父さん)に代わって本人の財産を管理することと、身上に関する監護をすることです。

 
財産管理の例としては、たとえば
  • 印鑑・通帳・証券などの保管
  • 収入や支払いの管理
  • 財産に関する契約(不動産の売却など)
  • 遺産分割
    などが考えられます。
身上監護の例としては、たとえば
  • 医療に関すること
  • 住居の確保に関すること
  • 施設の入退所、処遇に関すること
  • 介護やリハビリに関すること
    などについての契約やこれに伴う行為があるでしょう。

また、成年後見人は、日用品の購入など日常生活に関する行為以外で本人がした不利益な契約を取り消すこともできます。

こういった職務を、成年後見人は、本人の意思や心身の状態などに配慮したうえで行っていくことになります。

(成年後見人選任の手続について)

私が父の成年後見人になる場合、どのような手続きをすればよいのですか。

成年後見開始のためには、家庭裁判所の「審判」が必要になるので、本人の住所地の家庭裁判所に「後見開始の審判の申立」をすることになります。

家庭裁判所に備え付けられている申立書に、申立の理由、本人の生活状況、成年後見人の候補者の氏名などを記入して、

  • 申立手数料(800円の収入印紙)
  • 登記印紙
  • 郵便切手
  • 戸籍謄本・住民票
  • 成年後見に関する登記事項証明書
  • 医師の診断書
    などを添付して提出して下さい。

審判手続では、必要に応じて、家事審判官(裁判官)や家庭裁判所調査官が事情を尋ねたり、問い合わせたりします。また、本人の判断能力の程度について、医師による「鑑定」が実施されることになると思われます(この場合、別途費用がかかります)。

本人の判断能力の程度が後見を開始するのに相当(判断能力が全くない場合)と判断されると、家庭裁判所が成年後見人を選任することになります。

(保佐、補助、任意後見について)

本人の判断能力が全くないとは言えない場合にも、本人を保護する制度はありますか。

高齢、知的障害、精神障害などのために判断能力が十分ではない方の保護を目的とする制度として、成年後見のほかにも、本人の判断能力の程度や保護の必要性の程度に応じて、次のような制度があります。

区分 本人の判断能力 援助者
後見 全くない 成年後見人 監督人を選任することがあります
保佐 特に不十分 保佐人
補助 不十分 補助人
任意後見 本人の判断能力が不十分になったときに、本人があらかじめ結んでおいた任意後見契約にしたがって、任意後見人が援助する制度です。
家庭裁判所が任意後見監督人を選任したときから、その契約の効力が生じます。

*援助者は、必要に応じて、複数の人や法人を選任することもあります。
(最高裁判所事務総局作成のパンフレット『成年後見制度を利用される方のために』より引用)