北日本新聞掲載『くらしの法律Q&A』
息子が離婚 孫と面会できる?
2026.04.24
北日本新聞掲載 2026年4月11日
執筆者:春山 然浩 弁護士
息子が離婚し、子どもは元妻と暮らしています。私は孫と会いたいのですが、元妻に面会を求めることはできるのでしょうか。
夫婦が離婚後、別居している側の親が子と面会交流することは、法律上の権利と考えられており、当事者間の話し合いや裁判所での調停の内容に従って交流が行われま
す。
一方、祖父母など親以外の親族については、以前は裁判所への面会申し立て自体認められませんでした。しかし、今年4月施行の民法改正により、条件に該当する親族
は、子と同居する親(この場合は元妻)に対し、裁判所に面会の取り決めを求めることができるようになりました。
対象となる親族は、①直系尊属(祖父母、曽祖父母など)と、②過去に子を監護していた親族(叔父叔母など)です。これに加え、(1)子の利益のために特別の必要があること、(2)親族と子の交流について定めるため他に適当な方法がないことも条件とされています。
特に(1)について、申し立てをするケースは通常、相手方(この場合は元妻)は面会に反対しており、その意思に反して裁判所が面会を取り決める以上、子の利益への特別な配慮が必要です。(2)については、祖父母らとの面会も通常は父母間の取り決めで足りるため、祖父母らが直接当事者となるには、父母の一方の死亡などの事情が想定されます。
(1)の「特別の必要」という規定からすると、単に孫に会いたいだけでは認められないと思われます。しかし、あまりにハードルを上げると改正法の意味がなくなります。どのような事情があれば認められるかは現時点では何とも言えず、今後の実務の積み重ねによることになります。
まとめると、祖父母が息子の元妻を相手方として、裁判所に孫との面会の取り決めを求める申し立てはできますが、認められるには、孫にとって面会が必要とか、息子と元妻では取り決めができないなどの事情が必要です。個別の事情を裁判所に適切に伝える必要があるため、申し立てをお考えの場合は弁護士にご相談することをお勧めします。