北日本新聞掲載『くらしの法律Q&A』
土地の共有者の相続人が分からない
2026.04.09
北日本新聞掲載 2026年3月14日
執筆者:今村 元 弁護士
私は、Yさんと2分の1ずつの共有になっている土地を持っています。なぜ共有になっているかと言うと、私の何代か前の人がYさんの先祖と兄弟で、遺産分割の際にその土地を共有にしたためのようです。Yさんは未婚の独身で両親も兄弟もいない状態で亡くなりました。Yさんの共有持ち分はどうなるのでしょうか。
未婚の独身で両親も兄弟もいないということであれば、相続人が誰もいない可能性があります。「相続人不存在」であれば、家庭裁判所に「相続財産清算人」を選任してもらう必要があります。
相続財産清算人が選任された後は、家裁が官報に相続財産清算人選任及び相続人捜索の公告(以下、相続人捜索公告)をします。この公告から6カ月以上の期間を経て、公告期間が満了します。
相続人捜索公告が掲載された後、相続財産清算人が官報に2カ月以上の期間を定めて、相続債権者・受遺者に対する請求申出の公告をします。
家裁が行った相続人捜索公告期間の満了から3カ月以内に特別縁故者がいれば、その人が家裁に財産分与の申し立てをします。
この3カ月の期間が経過して初めて、共有者への持ち分の帰属が決まります。民法255条と特別縁故者の優劣についての解釈でそのようになっています。
以上の通りの経過をたどれば、Yさんの共有持ち分は、全てあなたに帰属することになりますが、そこに至るまでには、相続人の不存在の調査及び相続財産清算人選任の申し立てまではあなたがしなければ手続きは進みませんし、相続財産清算人が選任されてからも、以上の通り相当な時間を要します。相続財産清算人選任の申し立てにはかなり面倒な調査が必要になると思われますので、一度弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。