北日本新聞掲載『くらしの法律Q&A』
住宅修理の勧誘 大丈夫?-災害後は悪質商法に注意
2024.02.10
北日本新聞掲載 2024年2月10日
執筆者:弁護士 谷口 央
震災後、見た目には自宅に被害はありませんが、訪問してきた工事業者に 「このままでは危ないので、すぐに補修工事が必要だ」「保険を使えば実質ただでで きる」と言われました。本当でしょうか。また市役所を名乗る女性から、被災地に送る義援金を求める電話がありましたが、信用できるのでしょうか。
大きな災害が起こると、混乱や被災者を支援したいという気持ちにつけ込む 悪質商法の相談が、各地の消費生活相談窓口に多く寄せられます。
住宅修理などについては勧誘されても、その場ですぐに契約せず、複数の事業者から見積もりを取ったり、周囲に相談したりした上で慎重に契約することが肝要です。契約を結んでしまった後でも、クーリングオフができる場合もあります。
また「保険が使えるので負担はない」「保険金の申請も代行する」などと言われても、簡単にうのみにせず、加入先の保険会社や保険代理店に相談して、慎重に契約するようにしましょう。自然災害による損傷ではないことを分かりながら、災害による損傷と申請するなど、うその理由で保険金を請求すると、保険契約を解除されたり、刑事罰(詐欺罪)に問われたりする恐れもありますので、絶対にしないでください。
また公的機関が、電話や訪問などで義援金を求めることはありません。不審な電話はすぐ切り、来訪の申し出があっても断ってください。義援金詐欺の事例も報告されています。義援金を募っている団体などの活動状況や使途をよく確認した上で寄付しましょう。
なお弁護士会では、震災に関する無料電話相談(0120-315-787)や、高岡市伏木コミュニティセンター、氷見市教育文化センターで2月の土曜、日曜の午後に無料法律相談を実施中です。