北日本新聞掲載『くらしの法律Q&A』

娘のネット通販 解約したい-サイトの表示確認を

2018.07.14

北日本新聞掲載 2018年7月14日

執筆者:谷口 央弁護士

高校生の娘が、スマートフォンでダイエットサプリメントが1000円で買えるという広告を見て注文し、商品が届きました。1カ月たって、また同じ商品が届いたので、業者に確認すると、「6カ月間の定期購入の契約です。2カ月目からの代金は毎月6000円です。確認画面で説明していますので、解約できません」と言われました。本当に解約できないでしょうか。

インターネット通販をはじめ通信販売には、クーリングオフの制度がありません。解約できるかどうかは、通販サイトや広告の表示に従うことになります。ただし、解約についての表示がない場合は、商品を受け取ってから8日以内であれば解約できます。

定期購入とは知らなかったからといって、すぐに解約できるとは限りません。注文の際には、申し込みの最終確認画面で、注文内容や解約条件をしっかり確認することが大切です。なおインターネット通販では、申し込みの最終確認画面がなかった場合は、間違い(錯誤)を理由に契約を無効にすることができます。

また、未成年者(20歳未満)が、親など法定代理人の同意なしにした契約は、取り消すことができます。ただ、自分が成人だとうそをついた場合など、契約を取り消せないケースもあります。

もっとも、今年6月に成年年齢を18歳に引き下げる民法の改正が成立し、2022年4月1日から、18、19歳の人には、この取り消しの権利がなくなるので注意が必要です。

お尋ねの定期購入のほかにも、フリマアプリやオンラインゲームなど未成年を含む若者の消費トラブルに関する相談が増えています。成年年齢の引き下げにより、若者が悪質商法のターゲットにされないかという懸念もあります。地域や学校での消費者教育はもちろん、家庭内でも子どもと話し合う機会をつくり、トラブルを未然に防ぐことが大切です。

困ったときには、早めにお近くの市町村相談窓口や県消費生活センターに相談してください。どこに相談してよいか分からない場合には、全国共通の電話番号で、身近な消費生活相談窓口を案内する「消費者ホットライン188(いやや!) 」を利用してください。