北日本新聞掲載『くらしの法律Q&A』

共同親権への変更 元配偶者が希望

2026.07.13

北日本新聞掲載 2026年7月11日

執筆者:吉田 洋 弁護士

共同親権が導入されたと聞きました。私は共同親権導入前に離婚し、子の親権者となっています。元配偶者から、共同親権に変更して欲しいと言われたら、どうすればいいのでしょうか。

親権とは、未成年の子の監護・養育や財産管理を行う権利・義務のことです。これまで、離婚後は一方の親のみが親権を行使する単独親権しか認められていませんでしたが、2026年4月からは、離婚後も父母双方が親権を行使する共同親権を選択できるようになりました。共同親権導入前に離婚した場合でも、単独親権から共同親権への変更が可能です。

元配偶者から共同親権への変更を求められた場合、まず話し合いを行うことになります。共同親権とすることに合意できれば、家庭裁判所に親権者変更調停を申し立て、共同親権へ変更することになります。話し合いで合意できない場合は、家庭裁判所での調停手続きを通じて解決を図ることになります。

調停手続きでは、調停委員が個別に事情を聴きながら協議を進めます。合意に至った場合には、合意内容を反映した調停調書が作成されます。合意に至らなかった場合には、審判手続きに移行します。

審判手続きでは、子の利益を重視したうえで双方の事情を考慮し、裁判官が共同親権・単独親権のいずれが適切であるか判断します。父または母が子の心身に害悪を及ぼすおそれがある場合、諸事情を考慮して父母が共同して親権を行うことが困難である場合、その他、子の利益を害する場合には、単独親権としなければならないとされています。

例えば、過去に元配偶者からのDVや虐待があった場合や、父母間の対立が激しく共同での親権行使が困難であると判断される場合には、共同親権への変更は認められず、単独親権が維持されることとなります。

元配偶者から共同親権への変更を求められた場合には、話し合いや調停・審判の場で、お子さんにとって何が最善かという観点であなたの主張を伝えることが重要です。不安がある場合は、弁護士に相談されることをお勧めします。