北日本新聞掲載『くらしの法律Q&A』

公益通報 気をつける点は?

2026.03.05

北日本新聞掲載 2026年2月14日

執筆者:浦田 秀幸 弁護士

職場内で不正を行っている人がいるので、上司に報告して改めてもらいたいのですが、後で「告げ口をした」と言われないか心配です。

会社内の法令違反や不正行為を発見した労働者が、安心して通報を行うことができるようにするため「公益通報者保護法」が制定されています。

この法律では①会社の上司や公益通報窓口への通報②行政機関への通報③それ以外(例えばマスコミなど)への通報―の三つについて、どのような場合に保護されるかを規定しています。そして公益通報者保護法で保護される通報を行ったことを理由に解雇、降格、減給、退職金の不支給などの不利益な取り扱いをしてはならないと定めています。

企業に対しては、公益通報者の保護を図るために必要な体制を整備することを義務付けており、公益通報を取り扱う担当者が公益通報者の氏名などの情報を漏らした場合には罰則も科されることになりました。

会社の上司や公益通報窓口などへの通報は匿名でも行うことができますが、実際には公益通報者探しが行われる事例も見られました。誰が通報者であるかを探し出すことは、これまでも国が定めた指針では禁止されていましたが、法律には規定がありませんでした。そこで2025年に法律が改正され、誰が公益通報者であるかを探し出してはいけないことが明確になりました。この改正法は26年12月1日に施行されます。

公益通報者を保護する制度は改善が進んでおり、公益通報をしたことを知られてしまうリスクは低くなってきたと言えます。しかし残念ながら、会社によっては、公益通報者の保護についての認識が不十分なところもあるようですので、あなたの職場が公益通報者を保護するために、どのような取り組みをしているかを確認することは重要です。

また公益通報者保護法の対象となる「不正」は、犯罪行為や行政処分を受けるような行為に限定されていますので、セクハラや会社の内規違反などについての通報は保護されない可能性もあります。

公益通報について不安がある場合は、一度弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。