決議文・意見書・会長声明

全面的国選付添人制度の実現を求める決議

2012.02.10

第1 決議事項

当会は、国に対し、速やかに少年法を改正し、国選付添人制度の対象事件を、少年鑑別所送致の観護措置決定により身体拘束された全ての少年の事件に拡大することを求める。

第2 決議理由

少年事件の審判において、弁護士付添人は、非行事実の認定や保護処分の必要性の判断が適正に行われるよう、少年の立場から手続きに関与し、家庭や学校、職場等の少年を取り巻く環境の調整を行い、少年の立ち直りを支援する活動を行っている。少年審判において、少年に対し法的・社会的援助を行い、少年の成長・発達を支援する弁護士付添人の存在は、少年の更生にとって極めて重要である。特に、少年鑑別所送致の観護措置決定により身体拘束された少年は、自ら環境の改善を行うことが困難な状況におかれるのであるから、この場合に弁護士付添人の果たすべき役割は一層重要なものとなる。

しかしながら、2010(平成22)年の司法統計等によると、身体拘束された全少年に対する国選付添人の選任率はわずか3.2%に止まり、国選付添人以外の弁護士付添人を含めた選任率も61.9%に過ぎない。成人被告人に対する弁護人の選任率が99%であることと対比しても、少年事件の場合の弁護士付添人選任率は非常に低い。

その原因は、少年法に規定されている国選付添人制度にある。すなわち、現行少年法において国選付添人が付されるのは、殺人や強盗・放火などの一定の重大事件について検察官関与決定がなされた場合(法22条の3第1項)、重大事件で家庭裁判所が必要と認めた場合(法22条の3第2項)、若しくは、被害者傍聴の申し出があった場合(法22条の5)のみであって、被疑者国選弁護制度と比べ、その対象範囲が限定されている。そのため、被疑者段階で国選弁護人が選任される少年であっても、家裁送致された途端に、弁護人による援助が受けられなくなるという制度矛盾が生じている。

このような少年法の不備を補うため、当会では2010(平成22)年6月から弁護士を無料で派遣する当番付添人制度の対象範囲を観護措置決定を受けた少年全てに拡大した。

しかしながら、本来、弁護士付添人による適正手続きを保障し、少年法の理念である「少年の健全な育成」を期する制度を設置することは国の責務である。

そこで、当会は、国に対し、少年鑑別所送致の観護措置決定により身体拘束された全ての少年に国選付添人が選任されるよう、早急に少年法を改正することを求める。

以上

2012(平成24)年2月10日

富山県弁護士会  会長 作井康人